ましまろメモ

投機は適度に楽しむ遊びです...

最近気になっているGOLD/SILVERレシオ

金銀比率から考える銀価格の今後


商品は、代用品となることができる他の原料と一緒に動く傾向があります。例えば、人々は食事する際に何を食べるかの選択肢を持っています。したがって、牛と豚の先物価格との間には相関があります。牛が豚肉に比べて高価になると、豚肉の需要が増加し、価格が上昇する傾向があります。石油価格が大幅に上昇すれば、人々は天然ガスのような別の燃料に切り替えて家を暖めようと考えるため、ガスの価格に影響を与える可能性があります。これはもちろん、貴金属においても同様です。

f:id:marshfx:20190205230923j:plain f:id:marshfx:20190206015803j:plain

商品間スプレッド


商品間スプレッドは、2つの商品間の価格差です。一方が他方を代用することができれば、これらの差異からその商品の価値についての貴重な手がかりを得ることができます。価格関係の長期的な平均水準は、公正価値ベンチマークとして役立ちます。

金と銀の商品間のスプレッドは、金が歴史的に安価か高価かどうかに関する貴重な手掛かりを提供します。ここ20年の金銀1オンスあたりの価格比率の平均値は約60:1です。比率が60:1を下回ったり、1オンスの金を購入するには60オンス未満の銀が必要な場合、金は銀に比べて歴史的に安価であるといえるでしょう。金を1オンスを買うのに60オンス以上の銀が必要なときは、金は伝統的に高価であると言えます。

商品間スプレッドは現在の価格における商品の価値を理解するためのツールであり、長期的な価格関係が発散期間後に平均レベルに戻る傾向があるため、将来の価格行動として重要な手掛かりを得ることができます。

金と銀の歴史的比率


 地球の地殻における銀と金の比率は17.5:1であると言われています。ローマ時代には、その価格費は12対1に設定されていました。1792年には、銀と金の価格費は15:1になるよう合衆国の法律によって固定されました。それは金1トロイオンスあたり銀15トロイオンスの価値であったことを意味します。フランスでは、1803年に15.5:1とする比率が制定されました。しかし20世紀における銀金比率の平均は約47:1となっています。過去20年ではこの比率は60:1前後でした。

非常に興味深いことに2019年現在のGOLD/SILVERレシオは80ポイントを超えて、過去20年の平均を60%近く上回っており、歴史的に見ても非常に高い水準で推移していることが分かります。この比率は、銀が現時点では金に比べて非常に過小評価されていることを示しています。

金か銀か


世界的な株安から安全な資金の逃避先として、また米の金融政策の方針転換によるドル安など、様々な要因が相まって金価格は昨年末より上昇傾向に転じています。そして銀も例外ではありません。しかしながら、金銀比率をみれば銀は未だに過小評価されていることが分かります。

今後は米金利、ドルや株、貴金属全体の値動きを注視しつつ、銀が金をアウトパフォームすることがあるかどうかを見極めたいところです。金と銀との間の異常な発散は決して長続きしないのではないでしょうか。歴史は繰り返すものです。